けして、多くの植物染料を経験したわけでは無いが、、、
今回は、サンプルを色々な手法・素材で、取れば取るほど混乱する。
ピンクになったかと思えばオレンジに、はたまたイエロー、エンジ色。
わがままな茜根ちゃん
長~いお付き合いになりそう。
けして、多くの植物染料を経験したわけでは無いが、、、
今回は、サンプルを色々な手法・素材で、取れば取るほど混乱する。
ピンクになったかと思えばオレンジに、はたまたイエロー、エンジ色。
わがままな茜根ちゃん
長~いお付き合いになりそう。
万葉の草、「山藍」を摺り染めする衣の復元工程に、今回有り難くも立ち会う事が出来た。
染の源流である山藍生葉の「摺り染め」。
復元したのは、北本染芸 北本氏
■山藍■
蓼藍とは、別種でインディゴは含まない常緑草。雪山枯れ葉の中でも、ひときは青々と輝き可憐な花を咲かせていた。
現在は特に社寺林や遺跡など聖域で守られていて(岩清水八幡宮など)、なかなか身近に見れなくなったが。(子供の頃隣の松尾大社の裏山に群生してた気がする)
■胡粉■
今回復元された「小忌衣」の特異性は、大嘗祭では山藍は使われ度々作られているが、明治から令和まで省略されている加工(麻生地を表裏胡粉で厚く引き染め)を北本さんが苦労して再現仕上げた事。
さらに雲母(きら)を丁寧に振り着けられた衣は、まさに「浄衣」。
日本茜 ー植物の力ー
【美山茜1】生地を染める
【日の丸】を絞りで、染料は「日本茜」で染めて欲しいと丹波の仙人に依頼され、挑むも大変難しい。
(写真はなぜか赤味の色素が蛍光して実物より赤く濃い)
黄味(オレンジ)は、水に溶けやすく抽出しやすいから直ぐに染まる、という事は堅牢度は弱い、、、か。
赤味(青みのレッド)は、なかなか水に溶けにくく頑固で出て来ない。染まると確かに水洗しても色落ちしにくい、、、
昨年の年末年始は、桜に翻弄され、空がピンクに見えたが、、、
この年末年始は、一日が日の出と、夕焼け小焼けで日が暮れる。
日本橘 ー植物の力ー
【日本橘】の深い黄艶
静岡県沼津 戸田の「日本橘」で染める
【世界文化社・セブンアカデミー】
https://www.facebook.com/sebunacademy/
絞りワークショップで、受講者の方々が括った、「帽子絞りに鹿の子絞り」の帯揚げ。
なんとか無事に、【日本橘】で染め上がり、年内にお届け出来る目処が立った。
新年、新たな気持ちで最初に着物を来て頂く時、意味深い「日本橘」の帯揚げを是非、結んで頂きたい。
出雲紫根 ー植物の力ー
出雲へ 往復12時間
時は今-No.2 日本の宝 紫根
島根県「組子細工」の名工 舟木清氏が、「紫草」の栽培を初められたきっかけは、多くの地質・考古学者の方々が出雲の古墳を調査されに来られ、「出雲風土記」に紫草の記述がある事を知り、地元だった事から。
舟木木工所
http://www.lamer-unnan.com/blog/3526
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【出雲風土記・飯石郡の山の条】
八咋山、郡家の正南五十二里なり(紫根あり)、とある山は 郡家から約二八キロメートル、赤来町の小田から備後に越す幡咋峠の北の山(標高九0四)。
この度ご案内頂いた「紫根畑」の付近。
「収穫するまで、紫根の良し悪しはわかりません。だから予約は受付られないのです」と話される、舟木さんのご苦労、信念は良くわかる。
故に、訪ねないとわからない。
植物の力
【抗菌性 ・黒文字×楠木】
「日本橋丸善ギャラリー」催しに向けて、、、
2020年1月、分けて頂いた
「黒文字」の枝を煮て染液を取った。
通常、真冬でも室内常温でバケツに染液を放置してると、数日で表面に「カビ」が発生するが、、、
既に10月。
9ヶ月間経っても、カビが一切発生しない【黒文字】は、、凄い。
楊枝や器に用いた先人の知恵が良くわかる。
【楠木】は煮込むと、お馴染みの
「樟脳しょうのう」の強い香りに包まれる。昔から仏像や、防腐剤・防虫剤に使われたのもわかる。
で、両木の色素は、、、思いの外綺麗な透明感のある色彩が現れた。
植物の力
【余白と際の妙技】
ーSoul mateに捧ぐー
絞り屋にとって「辻が花」は、
とてもポピュラーな絞り染めの表現。
中世染織の類型を破った概念で、
「枯れ葉や虫食い」を墨線・点で多く描くというのは、一見可憐な美・生命力を損なうように思われるが、朽ちる物への儚さや「再生への予告」が、メッセージとして描き込まれている。
「わび・さび」の日本人の精神性にも繋がっていくのでしょう。
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今回の植物染料は「桜」
山桜に八重桜、桜色 いろいろ。
【家庭画報特選 きものSalon】
「秋冬号」に登載して頂きました。
書店にて、9月1日より発売中
宜しくお願い致します。
丸善企画 ー京 の 百 帯 繚 乱ー
帯といえば・・・・
10月8日から静岡県の島田市で催される「島田大祭展」。 東京で親しくさせて頂いている長唄の吉住小貴三郎・小三文お師匠はんが参加され「日本三大奇祭り」に数えられる祭りで、まっこと奇妙な衣装を纏う。 平成18年10月上旬の大祭に出版社らと御供をしたが大変不思議な世界へ紛れ込んでしまった気がした。
大井神社の御祭神は三女神を祀り、江戸時代には「大井大明神」と仰がれ、川越制度で栄えた島田宿の氏神様として崇敬され現在に到っている。
大祭の最大行事は「神輿渡御帯祭供奉の行事」で大奴(結髪奴頭、紺の半纏、金襴の廻し、首からしごきをかけ、伊達帯を腰に巻き、左右に一間近い木太刀を差して帯を掛ける)行列が練り歩く。
一般に「帯祭り」の名でも知られ、その名は島田宿に嫁いできた女性が安産祈願を大井神社に祈願した後、宿場内に帯を披露していたものが、いつしか嫁の代わりに大奴が「女の命」である金襴緞子の丸帯を太刀に掛けて行列し披露するようになった。
現代、帯をいとも簡単に切断し、付け帯にされる方が増えている (多くは小売店 に薦められてだが)・・・・着装に手間がかかり過ぎ、好きな着物を着たくても、帯を締めたくてもメゲてしまう女性達には、「切 断」も致し方無し、と私も半ばあきらめ肯定してきた。作り手が職方が裏で歪む顔も無視して・・・・・。
しかし木耶ラ女史との出会いで考えが一変。 「改良枕」と言うものがあるではないか、枕も時代とともに思考錯誤され工夫して作られている。 古着思考の方はともかく、躊躇なく比較的新しい帯までも切断するのは、今一度ハサミを入れる前によくよく考えてほしい。 今回丸善では改良枕の使い方も披露する。木耶ラ女史の作品を大切に扱い、綺麗に早く着崩れず着て楽しむ術をぜひ学び、多くの人に伝えてほしい。
吉住一門をはじめ、関東の著名な長唄芸人が集うこの祭りは別名「長唄祭り」とも言われ、長唄に合わせ屋台(山車)の上では本格的な衣装を付けた子供達の「上踊り」が各町内で夜遅くまで披露される。
この日・・・・大祭で屋台に乗り、舞台と沿道の観客を繋ぎ・結び・和やかに舞った踊・心情を忘れずに、優しい良い女子に育って欲しいと切に願う。
第参街上踊 平成18年 10月
若 松 郷 愁
昨年末、目黒区美術館で‘文化資源としての<炭鉱>’展が開催され観に行った。 劣悪な生活環境や経済効率ギリギリの人工的な町から、あふれるほどの日本の将来への希望が生み出されていたようすが、絵画やポスター、写真などで数百点が展示され、郷愁いっぱいの大変興味深い内容。 現代失われつつある人間味ある大きな力への渇望や、人情味のある人間関係への希求、さらに1950年代のエネルギー革命による石油への資源の変貌、町の興亡。 石炭とその問題の表現を通じて、我々を取り巻くエネルギーに対する考え方、姿勢などについて再考する機会作りを意図とした優れた催事だった。
今回私がお世話になった下ノ村夫妻はまさに美術館で体観した筑豊の炭鉱地帯を背後にひかえ、かつては日本一の石炭積出港として、日本の近代化を支え栄えた港町若松で、普段は静かに喫茶店を営んでいる。
光代ママの父上は筑豊一帯から運ばれる炭鉱列車の終着駅であるここ若松で石炭商を営んでおられた。当時は、日本全国から動力資源を求め金と頭脳が若松に大集合、それに伴い西日本各地から石炭ラッシュに集まった肉体、荒くれ’ごんぞう‘(石炭を船に積み入れる荷役人・沖仕)を束ねていた。酒とケンカと博打に明け暮れ、ぐだぐだ言わず竹を割ったような心情を好み、宵越しの金を持つのは男の恥、人様が困っていたら女房子供も質に入れる、いわいる「川筋気質」の男伊達。
ポスター「ゼネ・スト大動員」 日本労働組合総評議会 19??年
花と龍の著者若松出身、火野葦平は人々について「沖仕達を統括してゆくことは生やさしいことではなかったが、一面で、きはめて美しい人情が一筋の河のように貫き流れ、一切がこれに依ってわけもなく解決された。」と旧ごんぞう小屋に記している。 炭鉱の火は消えたが’川筋気質’DNAはこの町の人々にまだ確実に残っており下ノ村夫妻はその典型。特に光代ママはモンモン背負った輩を怒鳴りつけ、銀行の支店長にも啖呵をきって仁義を通す。けっして暴力団ではない・・・敬愛すべき侠客である。
北九州若松へ行く機会がったら是非、ホテルルートイン北裏 「喫茶ユリーヌ」へ行かれる事をお薦めする。落ち着く店内で「 川筋男 」にコーヒーをたてて頂き、「 川筋女 」が若松慕情を語って頂けるはず。
今回会場となったのは旧古河工業若松ビル。大正8年の建築といわれ、れんが造りニ階建て近代建築物の中では最も華やかな外見で若松バンド(若松南海岸通り)のシンボルになっている。隣にやはり大正末期の素晴らしい特徴的建築、旧麻生鉱業ビルがあったのだが軽率にも自民党前総理と共に消え失せた。
本疋田の総絞振袖や訪問着にも、一見重圧で存在感が有り過ぎ合いそうにない龍村の帯が何故か良く映る。
晋氏が逝って十数年、流行に左右されない500柄を越える至高の帯達は見事だが、やはり新作が無いのは寂しい。
天平精華文錦
龍村 晋氏の作品でもっとも好きな柄の一つ。
天平の空想幻想鳥獣戯画で30年近く見続けているが
あきるどころか益々魅せられる。