京絞り -際と余白の妙技-
絞り染め「京絞り寺田」

日本橘を染める

2025. 1. 16
色を解く
−黄色 金色 黄金色−
 
日本橘 タチバナ
 
2019年、最初で最後の『日本橘染め展示会』を催していた所、吉武利文氏(橘研究家)と再会。
 
入手を諦めていた日本橘、
氏の紹介で戸田森林組合の長倉氏をご紹介頂き、それ以来毎年剪定された貴重な戸田の橘を分けて頂いています。
 
四季折々の橘を染めましたが、やはりこの時期が橘の色素?にとっても、気温水質が丁度具合良いのか絹が綺麗に染まる気がします。
 
橘のさやけき花は、文化勲章のモチーフに。
500円玉の模様にも橘、橘。
香りから原点回帰を促すブルースト現象。
田道間守が常世国から天皇のために持ち帰った『非時の香果』、そして田道間守はお菓子の神様に。
などなど、古代より日本文化を静かに深く繋いだ橘、吉武氏のお話は尽きません。
 
葉の染色は緑味の黄色で香りは艶やか。
枝は、淡い黄色で香りはつんっと強く、
茎は、深い黄色で香りはまろやか。
 
今、私の工房は
橘の香りが充満中。
気力、体力充電中。