京絞り -際と余白の妙技-
絞り染め「京絞り寺田」

鹿の子の面影ー蓮如

2012. 5. 27

本願寺文化興隆財団                      面影の復元

蓮如の道を歩む会                          

 

 

 

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                         鹿の子の面影   白藤山超勝寺

 

 

 

 

蓮如六才の頃、元々本願寺の仕女であった生母妙好人才市は在如に縁談が持ち上がった時、絵師に描かせた幼い蓮如。鹿の子の小袖を着た寿像を抱いて、彼女は故郷である備後鞆の津へ立ち去ったと伝えられている。

平成10年には蓮如上人五百回遠忌法要で能楽師青木道喜氏が新作能を書上げ蓮如が宝生閑、母菩薩が前片山九郎右衛門で西本願寺で演じられ記憶に新しい。

 

今回、「蓮如を歩む会」を主宰する友人の大谷祥子さんに定期講で京絞りの話をして欲しいと依頼があった。何時もながら唐突話に戸惑ったが、鹿の子姿の蓮如さんの絵の写真を見せられ、驚き思わず引き受けてしまった。

取り合えず蓮如さんゆかりの逸話が多く残る福井へ。白藤山超勝寺で蓮如さんが描かれた掛け軸を見せてもらった。

 

 

 

                             船鋒にて旭光の剣が映る

 

 

 

今回復元に協力してくれたのは、鹿の子絞りは大西妙子さん、染は木村染工の木村隆男さん

本来は自分で染めようと下準備をしていたのだが、大量の水はともかく通常の絞り染めではありえない80度以上の高温で30分以上染めることは俄染屋ではままならない。植物染料の経験が豊富な木村さんに相談し染め上げてもらった。

 まず、数日間事前に染付が良くなる様に白目を溶液に浸けてカチオン化(接着剤のようなもので+イオン化にする事)する。  数日後良く乾かしてKLC=N剤に7,80度のお湯で15分から20分かき混ぜ濃染処理で下準備。     

水洗いして後5,60度に沸かしたお湯にアニノールPH(これも濃染剤)と同時に煮出した蘇芳の液汁を混ぜ合わせ生地を浸けて染める。

多分この段階までは自分で出来ると思ったが、実際染めて見るとなかなか濃度が上がらずアルミの焙煎でも発色しない。鹿の子絞りは長時間染め続けると白い部分にまで染料が浸透し、ただのシワに成ってしまう。

 

 

DSC_0078.JPG木村さんの染場には水蒸気加熱機という絞り染めに適したものがあり、直径80センチ深さ100センチほどの鍋の温度を一瞬に上昇させる事が出来る。何度かアルミ焙煎を繰り返し見事蘇芳色が現われた。

 

 

DSC_0083.JPG                                                               絞り染め  伝統工芸士

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                                   木村染工  木村隆男

  

 

  

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                           麻地蘇芳染 染め上がり解き前