家庭画報 新春特大号
「にっぽんの色、にっぽんの模様」 玄 Х 松
輪郭を小中帽子絞りで、枝・幹を折り縫い、平縫い絞りで。
思わず、ほうばりたくなる美味しそうな松葉の具を金箔・縫・彩色で。
刺繍糸屋さんの棚からはみ出し、溢れ落ちる絹糸が水飴みたいな光沢。
散らかってるのでは無く、、出したものを片付けると紛失するらしい。
60周年記念新年号書店にて絶賛発売中です。
家庭画報 新春特大号
「にっぽんの色、にっぽんの模様」 玄 Х 松
輪郭を小中帽子絞りで、枝・幹を折り縫い、平縫い絞りで。
思わず、ほうばりたくなる美味しそうな松葉の具を金箔・縫・彩色で。
刺繍糸屋さんの棚からはみ出し、溢れ落ちる絹糸が水飴みたいな光沢。
散らかってるのでは無く、、出したものを片付けると紛失するらしい。
60周年記念新年号書店にて絶賛発売中です。
ド・ローラー・節子のきもの暮らし
世界文化社より新刊。
我々きもの、和を業とした世界に生きる者にとって
大変勇気を頂ける言葉、
美意識で綴られている心の物語本。
純粋性の高いものほど、細々とした形で生き残り、
生活とかけ離れた遠くにあるものとなっても、
とにかく存在している。
その残り火に、息を吹きかけ新しい炎を生み出す、、、
ローラ・節子さんの一文。
確かに数十年前とは比べものにならないほど、
全ての規模が縮小した和装業界にあって、
ここ数年は人の繋がりや世界観は逆に広がっている。
息を吹きかけている人がいる。
▼グラン・シャレにて
賀茂別雷神社(上賀茂神社)
第四十二回式年遷宮
去る10月7日国宝権殿前にて
「二葉葵染作品奉納奉告祭」が斎行されました。
福井県鯖江市「葵の会」葵育生者の皆様のご協力を得て
平成27年5月「葵祭」終了後、
吉江町の畑にて間引きされた二葉葵を分けてもらい、
京都・東京の染織関係者6名で7作品を製作、奉納させて頂きました。
▲鯖江市吉江町の葵の会の皆様と
10月以降、神社内で展示予定、
又今回お世話になった福井県鯖江市の「まなべの館」にて、
「第八回鯖江市美術展(11月27日〜12月1日) 」に特別展示されます。
「二葉葵草木染研究会」の発足・活動が不足している
「二葉葵」の育生者増員と町のアピールのきっかけとなる事を願います。
又、今回上賀茂社家の関係者、
神官の皆様その他多くの方々のご協力、助言の数々により
皆の作品が出来ました事、感謝致します。
▲上賀茂社家を学ぶ会代表伊藤様
▲鯖江の葵畑
▲鯖江の葵畑
▲刺繍家 森康次氏が葵で染めた刺繍糸
嵯峨天皇奉献華道祭
献花式
辻井ミカ華務長後見人による献花式。
雅やかの中に現代の息吹きが感じられる式典、
変化して良い事と、変化してはいけない事の攻めぎあいを感じた。
平成27年1月31日~1日
場所 黄檗禅宗 瑞芝山 閑臥庵
夜明けの晩に出やる鬼の、詠う襲ねては彩、淡し青
反しては藤、恋しきに 鬼の通い路 逢う日まで
夢まぼろしは我に在り
詠読 木咲美奈子
佐竹司吉氏と、「綾小路妙庵」で15年前より互いの想いのままに、と始まった二人展。
なるがままに愛娘 佐竹美都子に引き継がれ、
彼女が立ち上げたブランド名は古蝶が未来を舞う「かはひらこ」。
閑臥庵では、「名残りの鬼」、「宵の鬼」、今年は「彩の鬼」と三年目。
今年は第42回賀茂別雷神社式年遷宮を奉祝し、「葵によせて」が一年間の私のテーマです。
閑臥庵にて愛でる節分 「葵によせて」展終了。
日本国 日の丸背負う「かはひらこ」 も快調。
極寒の中、ご来展頂いた皆様、ありがとう御座いました。御礼申し上げます。
知人よりのご依頼です。
年をまたいでの緊張感あるお仕事でした。
大分県八幡総本山 本殿御幌 小葵固地唐花菱横紋の几帳と、
御帳台帷の帽額 雲紋。
帽は大変珍しい唐花菱紋地「京傘絞り暈し染め」の製作。
八幡信仰の八幡大神は応神天皇。
その御母は船鉾にも奉る神功皇后。
またまた神功皇后繋がりの有難い御縁がありました。
家庭画報特選
きものSalon編集部 板締め絞りの可能性
絞り浸染 伝統工芸士 横井勝利
通常絞り染めは分業で、括る職方・染める職方は別々だが板締め絞りに関して
は一人もしくは一軒の染屋で完結する。 白生地を濡らした状態で約13m(着
物で)の生地を縦横屏風たたみして30~40枚の板を挟む。 作業中伸縮する生
地を素早くたたみ染めなければムラだらけになるため待った無しの染技。 一
見単純そうな作業だが薄く滑らかな絹の生地は扱いずらい。
10年ほど前までは数軒の板締めを得意とする染屋があったが現在複雑な着物
をたたみ染めれるのは多分横井さんのみ。工場には廃業した染屋の板が集まり
数百組積み上げられているが整理、修理、保管するのも一苦労。
大きなマンリキで締められた状態。
染め上がりの状態一発勝負、やり直しは見ての通り不可能。
素材の多くは桜の木、糸鋸で荒切りして一枚ずつ紙ヤスリで形を整える。煮出し
て充分に木のアクを取りカシューを塗って出来上がり。
全国の個性的な小物が搭載されており必見。
家庭画報 きものSalon 編集部 書店にて
http://www.kateigaho.com/kimono/
本願寺文化興隆財団 面影の復元
蓮如の道を歩む会
鹿の子の面影 白藤山超勝寺
蓮如六才の頃、元々本願寺の仕女であった生母妙好人才市は在如に縁談が持ち上がった時、絵師に描かせた幼い蓮如。鹿の子の小袖を着た寿像を抱いて、彼女は故郷である備後鞆の津へ立ち去ったと伝えられている。
平成10年には蓮如上人五百回遠忌法要で能楽師青木道喜氏が新作能を書上げ蓮如が宝生閑、母菩薩が前片山九郎右衛門で西本願寺で演じられ記憶に新しい。
今回、「蓮如を歩む会」を主宰する友人の大谷祥子さんに定期講で京絞りの話をして欲しいと依頼があった。何時もながら唐突話に戸惑ったが、鹿の子姿の蓮如さんの絵の写真を見せられ、驚き思わず引き受けてしまった。
取り合えず蓮如さんゆかりの逸話が多く残る福井へ。白藤山超勝寺で蓮如さんが描かれた掛け軸を見せてもらった。
今回復元に協力してくれたのは、鹿の子絞りは大西妙子さん、染は木村染工の木村隆男さん
本来は自分で染めようと下準備をしていたのだが、大量の水はともかく通常の絞り染めではありえない80度以上の高温で30分以上染めることは俄染屋ではままならない。植物染料の経験が豊富な木村さんに相談し染め上げてもらった。
まず、数日間事前に染付が良くなる様に白目を溶液に浸けてカチオン化(接着剤のようなもので+イオン化にする事)する。 数日後良く乾かしてKLC=N剤に7,80度のお湯で15分から20分かき混ぜ濃染処理で下準備。
水洗いして後5,60度に沸かしたお湯にアニノールPH(これも濃染剤)と同時に煮出した蘇芳の液汁を混ぜ合わせ生地を浸けて染める。
多分この段階までは自分で出来ると思ったが、実際染めて見るとなかなか濃度が上がらずアルミの焙煎でも発色しない。鹿の子絞りは長時間染め続けると白い部分にまで染料が浸透し、ただのシワに成ってしまう。
木村さんの染場には水蒸気加熱機という絞り染めに適したものがあり、直径80センチ深さ100センチほどの鍋の温度を一瞬に上昇させる事が出来る。何度かアルミ焙煎を繰り返し見事蘇芳色が現われた。
木村染工 木村隆男
麻地蘇芳染 染め上がり解き前
きものSalOn-春から夏へ 板場の仕事
桜舞い
小帽子絞りに金銀箔と刺繍を配した附下小紋。
20代後半、仕事が終わると北本さんとよく型彫師故・桝本稔氏の工房を訪れた。
突き彫りの名人で直接、型紙に簡単な下絵を描き上げると、穏やかな笑顔は一新、形相が変わり一気に彫り上げる。その直線的な姿はさながら棟方志功の如く、二人で息を呑んで凝視。
仕上がった数枚の葉摺り用の型をどのように丸刷毛で摺り上げるかは北本さんの腕次第、彼の静かな緊張が体に伝わった。
北本益弘
染技連の小袖の復元や細かい摺引田など、難度の高い仕事をこなす。
日本工芸会正会員
日本刺繍作家 森 康次 ー 耽美と児戯 ー
2008年京の繭「可能性への試み」展・2009年「陰影礼賛」展と、京都産の繭・都浅黄の挑戦で御一緒し、練貫薄手の生地に織り込むように刺繍を縫い上げる手わざ、仕上がりの美しさに皆が魅了させられた。
2009年の京都文博での展示会の際、三人(もう一人は柳条縮緬の服部芳和氏)各々の技法でお互いの着物と羽織を創る事となり早々打ち合わせが始まる。
ちなみにページ最後の写真で森氏が纏う白地に赤い斜線模様の着物はムラクモ絞りの逸品。 服部氏は染め分け絞りの着物に家紋を刺繍した羽織と皆お洒落。
私の羽織については・・・打ち合わせで何気に話初め、後に後悔する事になるのだが、その数日前にたまたま時間潰しに観た映画が江戸川乱歩原作・緑川夫人扮する三輪明宏の「黒蜥蜴」。
三島由紀夫までが裸体剥製姿で出演する何とも怪しげな究極の剽軽?ミステリー。
黒蜥蜴に反応した森氏にやらてしまった羽織がトップの写真。
こんなにリアルな黒蜥蜴が仕上がるなんて・・・・・・・森氏曰く、「この子達はみ~んな右見上げとるやろ~そやからな、纏う主人の人生を右肩上がりへと誘い導いてくれるんやで~ええがな~」 ・・・着させて頂きます。
児戯の真相は下記森氏HPにて「リッチ君とナナコちゃん」参照、季節がら今は運動会真っ最中。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/morinui/