家庭画報特選
きものSalon編集部 板締め絞りの可能性

絞り浸染 伝統工芸士 横井勝利
通常絞り染めは分業で、括る職方・染める職方は別々だが板締め絞りに関して
は一人もしくは一軒の染屋で完結する。 白生地を濡らした状態で約13m(着
物で)の生地を縦横屏風たたみして30~40枚の板を挟む。 作業中伸縮する生
地を素早くたたみ染めなければムラだらけになるため待った無しの染技。 一
見単純そうな作業だが薄く滑らかな絹の生地は扱いずらい。
10年ほど前までは数軒の板締めを得意とする染屋があったが現在複雑な着物
をたたみ染めれるのは多分横井さんのみ。工場には廃業した染屋の板が集まり
数百組積み上げられているが整理、修理、保管するのも一苦労。

大きなマンリキで締められた状態。

染め上がりの状態一発勝負、やり直しは見ての通り不可能。

素材の多くは桜の木、糸鋸で荒切りして一枚ずつ紙ヤスリで形を整える。煮出し
て充分に木のアクを取りカシューを塗って出来上がり。
全国の個性的な小物が搭載されており必見。


家庭画報 きものSalon 編集部 書店にて
http://www.kateigaho.com/kimono/
京鹿の子絞振興協同組合
技術保存委員会
手 わ ざ ・ 2
ー 染 め る ー
二冊目はおもに浸染の手順が中心、一色染め・ぼかし染め・桶絞染め・箱ローケ
ツ染め・彩色タタキ・辻が花染め等々。
その他、昭和10年前後の京都近郊の結い子、市内の漂白場・染場・下絵屋・湯
のし・解き風景の珍しい記録写真、絞り屋にとって明治以降産業化の要の商品と
なった「手柄」の写真などを集録した貴重な資料に仕上がった。

京都新聞 2012年(平成24年)6月28日 (木曜日)朝刊

読売新聞 2012年(平成24年)8月9日 (木曜日)朝刊
お問い合わせ先
075-255-0469
京鹿の子絞振興協同組合・担当井本
京都市中京区西洞院通四条上る蟷螂山町481・京染会館内
きものSalOn-春から夏へ 板場の仕事
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桜舞い
小帽子絞りに金銀箔と刺繍を配した附下小紋。
20代後半、仕事が終わると北本さんとよく型彫師故・桝本稔氏の工房を訪れた。
突き彫りの名人で直接、型紙に簡単な下絵を描き上げると、穏やかな笑顔は一新、形相が変わり一気に彫り上げる。その直線的な姿はさながら棟方志功の如く、二人で息を呑んで凝視。
仕上がった数枚の葉摺り用の型をどのように丸刷毛で摺り上げるかは北本さんの腕次第、彼の静かな緊張が体に伝わった。
板場友禅工芸士
北本益弘
染技連の小袖の復元や細かい摺引田など、難度の高い仕事をこなす。
HP・きものSalOn2012年・春夏号
世界文化社MISS10月号 ハートの行方

中帽子絞りハート柄・付け下げ訪問着
帯 MITSUKO/西陣座佐織 帯揚げ 宮川 帯締 道明
昨年末より、ある事情によりラブリーなハート文様柄を何柄か作成していた。
編集者の方の目に留まり、作成依頼から撮影日までほぼ7日間、出来る筈がな
いのに出来てしまった。
コーディネイトした帯は友人の愛娘MITSUKOブランド。どうやらデビューを覚悟し
たらしく新鮮な色彩や伸びやかな柄を自由に表現した作品創りに勤しんでいる。
帯が決まったのもほぼ前日、各ポジションの方々の集中力に関心。
で、何の雑誌に載るかは聞き忘れ行方知らず、店頭並んでのお楽しみで、紗世さ
んがMISSで「さよ庵へようこそ」のコーナーでお見事、大人可愛く着こなして頂い
た。

http://www.miss.jp/
世界文化社 MISS [ ミス] 2011 10月号 只今好評発売中

ー京 の 夏ー 涼 感
丸久小山園 茶房「元庵」にて

若苗色絞り付下げ
夏紬地に京鹿の子絞りで水模様を配し澪の流れを染め分け絞り二色で表現した。
帯/岡重 帯締め/道明 帯揚げ/宮川

http://www.kateigaho.com/
2011年7月号ー「日本の涼」を見つめるー 書店にて発売中
和の可能性と試み 純国産絹 都浅黄 (京都産)
みやこあさぎ
玄人からアマまで多くのファンを持ち染織業界にも多大な貢献をして頂いている
マリア書房「創作市場45」にて取材して頂いた。2008年から大日本蚕糸会の
協力を得て2011年現在も続いている養蚕農家の再生・地産地消活動の一つで
ある。




個性的な作品を染め・織り上げる作家の方々や、手織に出会えるお店・教室の情報満載の「創作市場45 」是非書店にてお買い求め頂きたい。
特注ブランド 絲 衣 司
www.itogoromonotsukasa.com/index.html
” 誂え” の 世界
当時プラチナサライ(小学館)副編集長だった今井田光代女史と男の着物に関する書籍を多数書かれていた塙ちと女史の「ープラチナサライの着物ブランドを創るー」と云う試みで始まった。
塙さんは現場主義、深い探求心を持って全国を駆け回り取材をされている。そんな彼女が創り手と、着手両者の普遍的に広がり変化する想いを「絲」の字に撚り込んで名付けて頂いたのが「 絲衣司 いとごろものつかさ 」である。

服部綴工房・服部秀司氏を中心に今春HPを開設、活動内容を公開している。
墨 動 泉 黒媛伝説 no.5 ドレープの触感

染の高考・高橋氏の工房で墨流しを配していただき、箱むら絞り、逆帽子絞り、墨手描きの乱線で多彩な墨のシャドー・動線を表現した。 銀座もとじ氏が育てた糸「プラチナ・ボーイ」のドレープを生かし墨の力強さを感じさせる作品に仕上がった。

http://www.utsukushiikimono.jp/
婦 人 画 報 冬号 美しいキモノ p、92登載
相澤慶子の挑戦 No,2 アルプスの花と蝶

きものSalOn ・ 創刊30周年新装刊号”2010-”11
蛍絞りを舞い振る雪光に見立て、手描きでアルプスの永久花エーデルワイスを配した訪問着をこれまた永久国民的美少女、後藤久美子が南仏アヴィニヨンの邸宅で装い撮影に応じて頂いた。
6月下旬、ホッカホカ上がり立ての着物と帯を小脇に抱え、欧州を幾度と往復する制作依頼者相澤女史。帰りの免税店で買ったドイツ産の「 EDELWEISS・apfel・birnen・schnapstoii 」というシャレたエーデルの刺繍ラベルの酒を土産に頂いた。第二次世界大戦中ドイツ軍山岳部隊が飲んで極寒を凌ぎ志気を高めた酒とか・・・・

着物/京絞り寺田 ・ 帯/森 康次 ・ 帯揚げ/宮川 ・ 帯締め/道明
ローズピンクの絞りと色合わせをしながら同時に作成して頂いた青紫色の帯は、敬愛する刺繍家・森 康次氏の艶麗な逸品。 峻険な山並エベレストを白と銀糸で 斬新に表現し、山脈を自在に飛び交い星型ビロード・エーデルワイスの花に翻弄されるアゲハ?蝶を色彩鮮やかに織り込むように縫いあげている。
家庭画報特選 きものSalOn 創刊30周年新装刊号 秋冬号 書店にて販売中
相澤慶子の挑戦 紫根色のシャドー

本日発売2011年新春1月号に本疋田総絞訪問着(紫根色)が登載された。 「イタリアの贅、日本の華」のページを編集・コーディネイトしているのが本誌でお馴染み相澤慶子女史。
二十年来のお付き合いになるが常に最前線、仕事に対しての行動力・真摯な姿勢は大変勉強になり尊敬している。 ヴォーグ編集長アナ・ウインターが映画「ファションが教えてくれること」の最後のシーンで、あなたが他人より優れていると思うものは?との問いに、彼女は即「 決断力 」と答え、思わず相澤姐ーさんの勇気ある顔が頭を過った。
都会的シンプルなコーディネイトで病棟配色トーン・癒しのユニホームに流されがちな現代の着物姿において、彼女のあえて「 極彩色を取り合わせでシンプルに装い魅せる
」手腕・挑戦には拍手!!! 我々も大変刺激を受け創作意欲をかき立てられる。今後も彼女の編集・コーディネイトは見逃せない。

きもの/ 京絞り寺田・帯/おび弘 ・帯揚げ/宮川・帯締め/道明・バッグ/ボッテガ・ヴェネタ
特別6大付録付き 2011年 家庭画報新春特大号、是非!書店にて