熨斗目八色染分
本疋田総絞振袖
7色の仕上げのつもりで、
染め分け加工を進めてましたが、最後の一色を染める前検品で、肝心の背合わせ部分に色間違いを見つけてしまい、1色を足して8色に修正、、、怖。
総絞りで、多色使いの染め分けが出来るようになったのは、やはり戦後化学染料の発達と、道具の進化、何より職方さんの技術の向上だと思います。
私は植物染料、化学染料と、善し悪しと云うよりは表現技法で使い分けています。
植物染料でしか出ない「色彩」、化学染料でないと出来ない「絞り技法」があります。
化学染料については、京都では、『佐野染料店』さんがほぼ全ての染料を扱い、研究試験から調合まで行い、洋和装染織業者、職方さんの仕事を担ってきました。
半世紀前からうちも『佐野染料店』と共に常にデータを取り、現在何千色になってるかわかりません。
20年程前に『化学染料特定芳香族アミン問題』が生じ、多くの化学染料が使え無くなり、京都市が、回収されました。
一瞬でしたが、染料店と職方と共に苦労した事がありました。
年内に仕上がればとおもいつつ、そんな事も思い出しながら仕上げた振袖です。

