技術保存の意図 三大要素
くくる・しめる・とめる
弾丸ではない、三代に渡り受け継がれた数百の型彫用ポンチ
2010年6月、絞り技法マニュアル・スタンダード・テキスト、DVD作成を
京鹿子絞組合理事会より依頼され、制作スタッフの人選を急遽行った。 要はまず編集者、さらに意図を瞬間に読み取ってくれる写真家、全体の構成を信頼して任せられるデザイナー、印刷所。 ありがたい事にある意味伝統工芸の歴史に残るテキストという事で素晴らしいスタッフが協力して頂き揃い、早々に船鉾の工房が撮影現場に変った。
「本疋田鹿ノ子・人目絞り・ 針鹿ノ子・針人目絞り・平縫い・折り縫い・巻き縫い・傘巻き・小帽子・中帽子」などなど今年度のテキストに使う数種類の技法の撮影を行った。 改めて絞り技術の複雑さと多様性に、単純に職人を養成しようなどとは言えなく思えなくなった。 しかしここ数年が正確な資料を残す
最後の機会となるだろうし、想像以上に全国に技術を学びたがっている人もいる。 カルチャーレベルではなく、職方、作家の目的の違いはあるにせよ出来るだけ高度かつ解りやすいテキストを創り残したい。
、
板締め用板各種
一枚の着物約14mの生地に30~40枚の板を挟む
昆布でも焼海苔でもない。 年に一度露草の汁を集め和紙に浸ませ
保存し、少しずつ溶かし型を置いて刷毛で生地に刷り込み使う。
心身体力に限界を感じ廃業する職方の多くは、後継者もしくは仲間の職方に秘伝の道具を命を譲る。 大切に・・・・などと言う レベルではない 、神剣である。